アス/Us概要
原題:Us
公開日:2019年3月22日
監督:ジョーダン・ピール
時間:116分
見終わった人向けの感想
この映画、2019年の夏に飛行機の中で見たんです。
隣に自分の子供がいたのでこんなホラーを見てよいものか、と思いながら見られないように早送りしながらうつらうつら見たのを覚えています。
そして先週もう一度ちゃんと見た時いろいろ見逃していた事に気づきました。
やっぱりこうゆうホラーが一番怖い。
死霊館などの呪われた系よりも、サイコものよりも、ポルタ―ガイスト系よりも、ストーカーものよりも、怖かったわ。
見た後のこの感情を言い表すと、夢に出てきそうな、怖い夢を見たというか、走っても走っても前に進まない感じの夢に悩まされるというか。
個人的には世にも奇妙な物語の数倍怖いバージョン。
【怖かったシーン1~5】
前半はそんなに怖くないんだけれども、別荘に彼等が出て来たところから怖くなる。
クローンの経緯
主人公一家のそっくりさんが別荘に訪れ、アデレードのクローン”レッド”が別荘で自分の経緯を話すところ。
低いしゃがれた声で、地上にいた時と影になった時との違いを話す。食べもの、おもちゃ、結婚、出産。
長女、長男を産んだ時、自分1人でお腹を切り裂き取り上げたと言う。だから影は地上にいる少女を憎んだと。
ウサギ
クローン達が食べてたものが血まみれの生のウサギ。
オープニングのケージに入っているウサギの意味が分かった時。なんでウサギなんだろう、って思ってたんだけど、クローンの食べ物だったんだぁと。
しかも生で食べさせられたんだぁ、キモ―。
建物
遊園地の地下深くに降りて行き、エレベーターがあり更に進んで行った時、ビルのようなちゃんとした建造物が出現。
どこまでも続く長い廊下に、床にはウサギが放し飼いになっており、そして、恐る恐る進むもなんとなく覚えていたのは、昔自分が通った道だったから。
しかもこれは政府が作ったもので、クローンも失敗したから全部丸投げ放置って。
言葉
どうして彼女だけが言葉を発せるわかった時。”レッド”だけが話せるのは、昔地上にいたから。
シンクロの動き
地上にいる人間達とシンクロして同じ動きをしてしまうクローン達の描写。
地上の遊園地と下にいるクローン達が似たような動きをするけど、どこまで続くんだろう。
しかも動きが奇妙で見てて不気味。遊園地から離れても、一生同じ動きをしていたのかな。バレエの動きもシンクロしてたし、結婚、出産も地上の人と同じようにするんだからそうなんだろうけど、不思議。
エンディングを見終わって、地上にいた普通の少女が地下で他のクローン達と何十年も一緒に暮らすと”レッド”のようになってしまうんだ、と。
生のウサギを食べ、地上にいる偽物を憎み、地上にいる両親に会いたくても会えず、知識や知能はその当時のまま時間が経過して、怖かっただろうなぁ。
自分の子供が地下に置き去りにされてるなんて想像するだけで怖いわ。
謎
・どうやって、多数のお揃いの赤いつなぎと、皮の手袋と、ハサミを手に入れたのか。
→オンラインショッピングでしかありえないでしょ。
・クローン人間が手をつなぎ列を作っていたのはなぜ?
通せんぼかと思ってたんだけども、オープニングでテレビのニュースでやっていた、1986年にアメリカ本土で起こったチャリティイベント、ハンズクロスアメリカの再現らしい。それもクローンだから真似しただけなの?
数百万の人々が15分間にわたって手をつなぎ歌を歌ったもの。
・あの聖書のエレミヤ11章のボードを持っていた男は何か意味あるのか?
昔地下にも彼のクローンはいたし。救急車で運ばれた時は死んでたの?クローンに殺されたの?でも最後の人間チェーンにも加わってたのはクローン?地上にいた人間が参加したの?
帰りの車で、息子は母が違うって気づいたようだし。
オープニングのアメリカ全土に広がる地下の話も興味深いけど、クローンを作った過程とかのスピンオフみたいなのも制作して欲しいなぁ。
あの独特の音楽、子供の声のような歌もじわじわ不気味で良かった。
ジョーダン・ピールの前回の監督作品のゲットアウトも斬新だし、これも他にはない独特の映画だったし。
来年公開予定の次回監督作品、ノープ/Nopeもどんなあらすじかわからないけど超楽しみ。
主演はまたゲットアウトのダニエル・カルーヤらしい。ポスターだけ見ると、山の上にある雲の下に町がある。宇宙人系なのかしら。